あなたは、会話が噛み合わないと言われたことはありませんか?
もしくは、
- 自分の興味ある話ばかり、ベラベラ話はじめてしまう
- 相手から質問の意図からズレてしまう
こういったお悩みを抱えてらっしゃる方は、もしかしたらASD(自閉症スペクトラム)の傾向があるのかもしれません。
ASDの会話が噛み合わない理由
ASDの人の話が噛み合わない理由としては、以下のような特性があるからと考えられています。
- 相手の立場に立てない(想像性の欠如)
- 興味・関心の偏り(興味の限局性)
そのため、相手の質問が知りたい内容と、自分の答えたい内容がイコールにならない状況がでてくるとされています。
自分の興味のあるイメージだけで話をしてしまうこともしばしば・・・。
ASDの会話が噛み合わない具体例
たとえば、実際の会話例について以下のようなものがあります。
上司:『A案件は、終わっているかな?』
私:『(B案件は)まだ終わっていません。』
上司:『ん?まだ終わっていないの?』
私:『B案件については、準備は整ってないのでまだ終わっていません。B案件の問題点として~』
上司:『ん?A案件について、聞いているんだけど?』
このように、会話の『ズレ』が発生していますよね。
上司は【A案件】の進み具合について聞きたかったのに、私は【B案件】について答えていいます。
上司に、『会話が噛み合わないなぁ』という不信感を持たせてしまっていますよね。
当時、私はそのことに、まったく気付いていませんでした。
これは、ASDの興味・関心の限局性というのが影響しています。
上の例でいうなら、
- 上司の立場に立って、考えられていない
- 興味・関心の意識が、【B案件】へ向いてしまっている
しかし、【A・B案件】はどちらも同じC社の案件だから、私の中ではつながっています。
そのため、私のイメージの中だけで、話をすすめてしまっていたのです。
つまり、相手の知りたい内容を答えず、自分勝手な回答をしていると思われても、仕方のない状況です。
このように、ASDの人は自分の興味・関心のあるワードが耳に入ると、自分のイメージにあった話をし始めてしまいます。
つまり、【相手の意図・知りたい内容に合わせよう】という意識が抜け落ちていることが多いのです。
会話が噛み合わないというのも、当然ですよね。
そして、最大の問題は、ASDの人は自分が会話がズレているという認識がまったくないことです。
私も、同僚が指摘をしてくれるまでは、まったく気付いていませんでした。
ASDの人が会話を成り立たせるため対策
対策としては、以下の3点あります。
- 『会話がズレてしまう』と自覚する。
- 相手は何を求めているのか?を意識する。
- 2の内容をくり返し練習して、習慣にする
【ポイント①】『会話がズレてしまう』と自覚する。
最大の問題は、ASDの人は自分が会話がズレているという認識がまったくないことです。
ですので、まずは、自分は会話のズレがあるという自覚を持つことが第一歩です。
自覚を持たなければ、会話のズレを意識することもできません。
そもそも、自分がズレているのか分からないという場合は、僕のカウンセリングでも指摘させていただいています。
【ポイント②】相手は何を求めているのか?を意識する。
すでにお伝えしたように、ASDの人は自分のイメージだけで話をし始めてしまう傾向があるので、相手の意図とズレることがあります。
ですので、なるべく『相手は何を求めているのか?』に意識を集中するようにしましょう。
はじめは、できなくてもOKです。
というのも、これはASDの方の特性でもあるため、半分は仕方のないことなんです。
練習は必要にはなってきますが、『少しだけできたな』と思ったら、自分をおおいに褒めてあげてください。
【ポイント③】②の内容をくり返し練習して、習慣にする
ポイント①、②の内容をくり返し練習するよう心がけます。
はじめは、『面倒くさい』『疲れるなぁ』と思うかもしれません。
しかし、人間の脳とは不思議なもので、くり返し練習することで、特に意識しなくても習慣化されます。
そうなれば、ぐんとコミュニケーションが楽になるでしょう。
何より、会話のズレが少なくなれば、あなたのストレスも大幅に減っていきます。
僕がそうだったように、くり返し練習していくと、会話のズレも次第になくなっていくんです。
まとめ
ここまでご紹介した対策方法は完璧でなくて構いません。
感覚としては、100点中の30点を目指すくらいでいいんです。
定型発達の人であっても、100点を取るのは難しいでしょう。
30点できるようになれば、ぐっとコミュニケーションは楽になります。
はじめは、10点、15点と少しずつでいいので、練習していきましょう。
練習をくり返していくことで、会のズレの精度は上がっていきます。
参考にしてみてくださいね。
私のカウンセリングではASDの人の『生きづらさ』を少しでも減らすよう、お手伝いさせていただいています。
興味のある方は、下記より、一度お問い合わせくださいね。