あなたは『~すべき、~ねばならない』思考で、知らず知らずに大きなストレスを感じていませんか?
もし、そうなら、あなたはASDの傾向があるのかもしれません。
たとえば、
- 完璧であらねばならない
- 人と上手にコミュニケーションを取るべき
- 親の期待に応えるべき
- 社会人としてこうあるべき
こういった親や周りの環境から取り込んだ『べき思考』は、
知らず知らずのうちに、大きなストレスを与えます。
僕たちは、べき思考からくるストレスに気づいていません。
無意識です。
その考えを、さも当たり前かのように認識して、生活しています。
逆にいえば、当たりまえと思っているからこそ、ストレスにも気づきません。
だからこそ、べき思考からくる『生きづらさ』を改善には、客観視がとても大切です。
自分を苦しめている『べき思考』が分かれば、生きづらさを改善していくことができます。
ASDの人は『べき思考』が強い理由
すべての人に当てはまるわけではありませんが、発達障害や特にASDの人は、
『べき思考』が強い傾向にあると思います。
なぜなら、ASDの人は、
- こだわりが強い
- 強迫観念がある
傾向にあるからです。
つまり、こだわりや強迫観念が『べき思考』に向かいてしまうと、
その考えに固執してストレスを抱えるようになります。
また、その完璧主義的な傾向から、思考に関しても、
・正しいか
・間違いか
という二択の考えにこだわってしまう場合もあります。
こういったASDの思考が、ネガティブな感情を生み出し、
やがて生きづらさにつながっていきます。
つまり、
①「べき」思考
↓
②ネガティブな感情
↓
③客観性のない結論
↓
④生きづらい
という負のサイクルにハマります。
その結果、二次的な症状として、うつや不安障害を引き起こすことになるんです。
恐いですよね。
『べき思考』が強かったASDの僕
ここで、べき思考の強かったASDの僕の
経験を具体例にご説明します。
僕もべき思考のせいで、身動きがとれず、息苦しさを感じている
時期がありました。
でも当時は、自分の生きづらさの原因が『べき思考』だと、
自分でも気付いておらず、『何となく生きづらいなぁ~』
と思いながら過ごしているだけでした。
僕の持っていた『べき思考』は、たとえば、
- 親に感謝すべき
- 仕事はガマンすべき
- 頑張るべき
- 社会人として〇〇するべき
- 常識として〇〇すべき
親や周りから、無意識に取り込んできた、あらゆる『べき』により、
『べき!べき!』で息苦しさを感じていたのです。
さらに僕の場合、ASD的な傾向から、『こうあるべき!』
という脅迫観念までありました。
そのため、周りから何を言われても、頑なにその考えを守ろうとする
クセまであったんですね。
そりゃ、こんな『べき!べき!』で生きてたら、しんどいです。
しかも、自分が『べき思考』で苦しんでいるという自覚がなかったわけですから。
これは、かなり恐いことでもあります。
なぜなら、たとえばですが、
1.『親に感謝すべき』思考がある
↓
2.感謝できない自分
↓
3.自分はダメ人間だ
というギャップに苦しむことになるからです。
こんな風に、僕は人に感謝できない局面に出くわすと、
『自分はダメ人間だ』と自分を責め続けていました。
しかも、『無意識に』です。
こういった自分に対しての無意識の『べき』が積み重なり、
不安や恥の感情、罪悪感などにつながっていたんです。
そのまま放置していた結果、僕は重度に近いうつ状態に。
心身ともに無気力になり、会社では上司からさらに怒られたり、
周りとの人間関係が破滅する寸前までいきました。
かなり、苦しかったです。
こういった『~べき思考』はなぜ起こるのでしょうか?
それは、自分の気持ちより、親や他人の価値観、
あるいは世間の価値観を優先させているからなんです。
『べき思考』をほぐして、生きづらさを改善する
べき思考からくる『生きづらさ』の改善方法を、いくつかお伝えします。
まずは『べき思考』に気づく
ここまで読んで頂いた方は、もうすでにお気付きだと思いますが、
- 自分責めをしてしまう
- ストレスを感じている
と感じたときには、その背景に『べき思考』が隠れていないか?
いちど疑ってみることをオススメします。
上の僕の例で言うなら、『親には感謝すべき!』という思考を見つけれたとき、
『あっ、これはべき思考かもしれない!』と気づけた時点で、もう半分は解決しています。
なぜなら、その瞬間、自分責めがピタッと止まるからです。
ちなみに、親に感謝することは良いことですが、別に必ず『感謝しなければならない』
という法律やルールなんて、ありません。
ですので、別に感謝できなくてもいいのです。
それも、親や世間の常識から、自分が無意識に取り込んでしまった『べき思考』
だということが分かります。
「~したい」と「ねばならない」を混同していないか?
たとえば、僕の例でいうと、
- 『親に感謝したい』
- 『親に感謝すべき』
この二つの思考を、ゴチャ混ぜにしていました。
その結果、
頭が混乱し余計にストレスとなっていたんです。
『人に感謝したいな』は自分責めにもなりませんし、自由な考えです。
それに、『じゃあ、どうしたら感謝できるかな?』という建設的な考えにもつながりやすいので、
良い考えだと思います。
これが、『親に絶対、感謝すべきだ!』と脅迫的に考えてしまうと、途
端に思考はギュッと固まり、息苦しくなります。
ですので、混同した思考になっていないか?
まずは、ご自身でチェックし、整理しましょう。
二つの思考に整理することができれば、客観視にもなりますし、
ストレスも減ります。
子供のころの感情を癒す
べき思考は、子供のころに親から取り込んでしまった思考のクセである場合もあります。
たとえば、
- 親が支配的で、自分の思いを伝えられなかった。
など、親から『ありのままでいいよ』という愛情よりも、
- 『〇〇しなさい!』
- 『〇〇であるべきだ!』
という価値観を押し付けて育ってしまった子供は、大人になっても、
自分の思いを優先させることができません。
子供のころは、親から愛されるために、『~べき、~ねば思考』が役に立ったのかもしれません。
でも、大人になったあなたは、もう自分で判断して、親の考えを手放してもいいんです。
そのためにはまず、子供の頃に自分の想いに気づくことから始めましょう。
まとめ
べき思考は知らず知らずのうちに、あなたを苦しめているかもしれません。
またASDの人は、その特性から『べき思考』に支配されやすい傾向があります。
その場合は、『べき思考』を特定して、思考のバランスを取ってみてください。
客観視となって、ストレスが減るはずです。
僕のカウンセリングでは、さらに詳しく客観視について、自分責めを止める対処法をお伝えしています。
また、親から取り込んでしまった価値観を手放すワークも行っています。
興味のある方は、お問い合わせくださいね。