職場の仕事がマルチタスクで、パニックになっていませんか?
たとえば、
- あれも、これもやらなきゃ!と焦る
- 何から手を付けたらいいか分からない
- イライラが止まらない
こんな悩みを抱えているあなたは、もしかすると発達障害(ADHD)の傾向があるのかもしれません。
今回は、ADHDの方が苦手な傾向にあるマルチタスクへの対策を、3つのポイントに絞ってお伝えします。
その3つの対策ポイントとは、
- 見える化
- 具体化
- 明確化
です。
対策について、お伝えする前に、どのような場面でパニックになりやすいのか、僕の事例でご説明します。
職場がマルチタスクでパニックになっていた僕
対策方法をお伝えするまえに、ADHDである僕の経験をお伝えします。
下記は、僕の以前の職場での、ある1日のスケジュールを、書き出してみたものです。
- クライアント(A社)への訪問 1件
- クライアントの接客対応 2件
- 他の受注案件の管理 2件
- 別の進行案件の管理 2件
- 見積書の作成 2件
- 請求書の作成 2件
これだけのタスクを目の前にして、以前の僕は、もう大パニック状態でした。
書き出す前は、何からしなければいけないのかも分からず、
- 早くやらなきゃ!
- 全部やらなきゃ!
と、焦りだけが先行していました。
どれから手を付けたらいいか分からない。
- 全部できるだろうか?
- 間に合うのかな?
と、不安まで大きくなっていました。
そうなると、脳は大暴走、パニック状態です。
結果、どの仕事も中途半端になってしまい、「仕事が遅いんだよ!」と上司から怒られることも。
そこで、次にご紹介する対策をすることで、脳のパニックをやわらげていました。
発達障害者が苦手なマルチタスクへの対策
対策として、結論を一言でいえば、『タスクをハッキリさせて、脳を安心させてあげる』ことです。
僕たちの脳はあいまいなものに対して、不安を感じやすい性質があります。
あいまいな認識のままだと、脳は『処理しきれない』と勝手に判断してしまい、結果パニックをおこします。
ですので、実は焦っているのはあなた自身ではなく、脳の扁桃核という部位が勝手に不安を感じ、あなたに「不安だよ」と信号を出してきているだけなんです。
その結果、僕たちは焦ってしまい、悪循環におちいります。
つまり、脳を安心させることができれば、自然にパニックはやわらいでくるというわけですね。
脳を安心させる手順として、下記のSTEPを試してもらえば、不安を少しはやわらげることができ、行動もしやすくなります。
STEP①1枚の紙に書き出す
まずは1枚の紙に、すべてのタスクを書き出しましょう。
紙でなくても、PCのワードでも何でも構いません。
ここでのポイントは、すべてのタスクを書き出して「見える化」してあげることです。
僕の例でいうなら、
- クライアント(A社)への訪問 1件
- クライアントの接客対応 2件
- 他の受注案件の管理 2件
- 別の進行案件の管理 2件
- 見積書の作成 2件
- 請求書の作成 2件
こんな風に、全体のやるべきことを、脳にとって「見える化」してあげるのです。
脳は、全体像が見えず「ぼんやり」しているとパニックになりますが、書き出して把握させてあげることで、安心してくれます。
安心することで、不安もやわらいできますね。
書き出すことで、「あれもこれもやらなきゃ」と考えているだけのぼんやりした状態が、いかに脳に大きなストレスをかけているかということにも気付けるはずです。
脳に大きなストレスがかかっていると、やる気もおきず、なかなか行動に移せません。
STEP②タスクごとに具体化する
全体像を「見える化」したら、次にタスクごとに行うアクションも、なるべく細かい作業に分けていきましょう。
ここでのポイントは、タスクごとのやるべきことを明確にして、さらに「具体的」にすること。
たとえば、「A社へ訪問」というタスク一つとっても、
- 訪問前にA社に連絡を入れる
- A社への道順を調べる
- 名刺を用意する
- 渡す資料を準備する
- 営業車はB車を使う
といった具合に、実は細かいタスクが5つも発生してしまいます。
つまり、「A社へ訪問」というぼんやりとしたタスクだからこそ、脳は「具体的には何をするんだっけ?」というあいまいな認識になってしまいます。
その結果、脳は処理し切れず、パニックになるんです。
そこで、大きなカタマリであるタスクを、なるべく細かい作業に分けて小さくしてあげましょう。
そうすることで、脳はグッと認識しやすくなり、落ち着きを取り戻してくれます。
STEP③タスクの順番を明確にする
STEP③として、タスクの優先順位を決めます。
具体的には、次の4つに分類します。
- 緊急かつ、重要なタスク
- 緊急だが、重要度でないタスク
- 緊急ではないが、重要度は高いタスク
- 緊急でもないし、重要でもないタスク
4つに分類することができたら、あとは順番にタスクをこなしていくだけです。
ここは練習が必要になり、特に発達障害の人にとっては、いちばん難しく感じるかもしれません。
しかし、経験していくことで、徐々に自分でもパターンを学習し、優先順位が付けられるようになっていきます。
実際に僕も、はじめは上司に怒られ倒していましたが、確認をくり返すうち、自分だけで優先順位がつけられるようになりました。
焦っている自分も認めてみましょう
最後に、それでもどうしても焦ってしまうあなたへお伝えさせてください。
実は、やらなきゃ、やらなきゃ、と焦ってしまうほど、行動できなくなり、なかなか仕事も進みません。
なぜなら、焦っている自分を否定することになってしまうからです。
焦ってしまう自分も丸ごとOK!なんです。
なぜなら、自分を認めてあげた方が、結果的に集中力もUPして、仕事の生産性もあがります。
自己否定している状態で、『やらなきゃ!やらなきゃ!』と思ってもしんどいですよね。
エネルギーを多く使い、余計に集中力が落ちてしまいます。
ですので、不安に感じたら、『今、焦っているんだな』と実際に口に出して、まずは焦っている自分を認めてあげるところから、始めてみてください。
自分を認めていく練習をしていくことで、不安やパニックを感じないあなたに育ってゆきます。
まとめ
ここまでお伝えしたように、マルチタスクに対する苦手・不安の対策手順は、
- 見える化
- 具体化
- 明確化
の3点です。
また、焦りや不安の感情を自分で認め、客観視することもとても大切になってきます。
もっともっと詳しく知りたいという方は、僕のカウンセリングまで一度ご相談くださいね。